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られるが、ここで設定する条件間での相対的な差を議論する場合への誤差は少ないと考え、マップ算出形式とした。燃料消費についても、同様に取り扱った。このような取扱いにより、各条件でのトータルの積算値と、瞬時値の時刻歴の両方のデータが得られる。
低公害車については、蓄正式ハイブリッドシステムのみの計算モデルを作成した。これは、例えば、CNG車ではエンジンデータを変更することにより対応できるし、電気式パラレルハイブリッド車では、(走行時の充電状態の状況を別にすれば)電気モータのアシスト分だけエンジン負荷を減ずれば対応できるので、特別な力学計算の必要な蓄正式を考えてみることにした。ハイブリッドシステムに関する計算では、各部の効率・損失の見積が重要であるが、ここでは効率をパラメータとして入力できるようにし、油圧アキュムレータ、油圧タンク内の圧力計算は、封入ガスがポリトロープ変化するものとした。油圧エネルギーのアシスト量の制御については、様々な考え方があるが、ここでは単純に、油圧エネルギーがある状態においては、油圧分を優先して使う方式(A方式と称す)と、アクセル踏み込み量に応じて油圧とエンジンの分担をある比率で定めておく方式(B方式と称す)、さらに負荷とエンジン回転数に応じてきめ細かく制御する方式(C方式と称す)を検討してみることにした。
(2)評価実験
環境負荷の評価については、前述のように、車両本体の特性、運転者の操作方法、道路環境によってかなり大幅に変化すると考えられる。ここでの評価は、これらの因果関係を整理して定量化することを目的としており、全く自由に被験者に運転させることにせず、いくつかのパラメータの変化に対する応答の変化をみるものとした。なお、べース車両の条件としては、通常の都市内走行用のバスの諸元よりデータをひろい、車体重量14t、エンジンの排気量は約10Lのものとし、メーカよりご提供いただいたNOx、スモークナンバ、燃料消費のデータをもとに3次元マップを作成した。諸量の評価としては、N0x、ドライスート、燃料消費量の瞬時値(g/s)と各走行パターンでの単位距離あたりの量(g/km)で表すこととした。
行った実験は大きく分けて、以下の3つである。
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運転操作(アクセル踏み込み量、シフトチェンジ回転数)や車両重量(べースに対して2t増と2t減)、変速機仕様(MTかATか)などの環境負荷への影響をみるため、通常よ

 

 

 

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